文体練習

片根伊六(かたねいろく)による、詩、物語、小説、エッセイなどを掲載しています。

円グラフの作り方

            人生の裏の目標は、少しでも長い時間を「良い状態」で過ごすこと、なのかもしれない。現時点から死ぬまでの時間を円グラフにした時に、「やや良い状態」「良い状態」「かなり良い状態」という部分が占める角度をいかに多くするか、そして<!--more-->「やや悪い状態」「悪い状態」「かなり悪い状態」の部分をいかに少なくするか、ということなのかもしれない。

(家の裏口につないである犬を見ながら、犬は何のために生きているのだろう? と子供のころよく考えていた。彼らにとっての幸せとは? と……)

何をもって「良い状態」「悪い状態」と判断するのかというとそれは「なんなく」としか言えないけれど。身体的・精神的に、総合的に判断する能力を本能として持っていて、複雑で微妙なバランス関係を瞬時に計算するのだろう。

(先行逃げ切りと、後から一気にスパートするやつと、どっちがいいのだろう? と日曜日、競馬のテレビ中継を見ながらよく思う。後からの方が美しいけれど、これからという時に何か事故があったら? とも思う……)

     

僕が今回注目したのは、片根さんがずうっと僕は僕はという形で書いてきたものをこういう形で、別な形で見せてくれたというのは、この人はやっぱり幅が広いなと。それだけ実力があるから書けるわけで、その幅の広さというのを僕は評価したい。(金井雄二) 現代人というのが人生というのをわかったふうに計量化したりするわけですよ。あるいはゲーム感覚で生活しているというところを、誇張して見せた。だから現代を逆手にとって、それを詩にしているところにこの人の批評性を感じる。(大橋政人) 「研究作品選」『詩学/2000.10』pp..114-116。