片根伊六 帳

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サイレンの音が

            やっと痛み止めが効いてきて、

親知らずを抜いたところの疼きが治まって うつらうつらしていると、

サイレンの音がだんだん近づいて来たので、 ハッとした。 あっと思って起きあがった。

友達が、体調悪いと言っていたのを 思い出したのだ。

でも、よく聞くとそのサイレンは 救急車じゃなくて 消防車だったので安心した。 (燃えてる家の人には悪いけど…)

と言うか もし彼に何かあったのだとしても、 わざわざ東京の救急車が出動するはずない ということに、 目が覚めてから気づいた。

   

『ミッドナイトプレス/2000.秋』