文体練習

片根伊六(かたねいろく)による、詩、物語、小説、エッセイなどを掲載しています。

ヒグラシ

            集中しないと微風は感じられない。

音楽も感じられない。 感じられない。

演劇そっちのけで セットに描かれた街の風景を 細かいところまで見つめている。

新品の やわらいかい布団の中の綿をまるごと 取り出して 55センチ×30センチの 長方形を切り抜く。

すごく精度の良い レーザーメスで。

ぼーとしている時の空想で 何でも爆破するのを自主規制する。

ミスタードーナツとかビルディーとか。

夜 隣のビル越しに見える遠くのビルの 黒いでこぼこ四角の形。

水性赤ボールペンの色。 色々。 色々ある色。

色という字は こんな字だったっけ? 不思議だ と思う僕。

つれづれなるままに ヒグラシ。