文体練習

片根伊六(かたねいろく)による、詩、物語、小説、エッセイなどを掲載しています。

多数の球体が飛び跳ねている(難解な小説風に)

            僕の まわりには多数の球体が飛び跳ねているのだが この何もない 地面さえ無い空間の中で 何に反射して球体は飛び跳ねているのかというと それは僕が設定した仮想平面に なのであって しかし球体の方は言うまでもなく現実存在であ<!--more-->り 僕は その不意の出逢いを おもしろがって見ているのだが…… 球体の中では 僕に気づかれないように慎重に細胞分裂がくり返されていることに 実は僕は気づいていて気づかない振りをしているのを 実は彼ら(お望みなら 細胞群の主体たちと言ってもいいが…)は気づいていて つまり 僕と彼らは 互いの手の内を知りつくした者どうしなのだが まだ一度も喋ったことが無かった…… 理論上 細胞群の主体は造物主である僕に従属しており なんらかの関係が これから生成されることが予想されるのだが それは僕がイメージした造形の複製が球体の中で再生産されるということかもしれないし あるいは 僕の思考様式が概念図に置き換えられて説明されるのかもしれないし もしくは 複雑な造形隠喩群の構成で僕の全体像が暗示されるのかもしれないし…… いずれにせよ 球体たちが孵化した時に 世界は始まることになると考えることになるのだろうが まだ結論は先送りにすることにしよう いかにして精確な答えを出すかではなく 答えを探す過程で いかに有意義な副産物を手に入れるか ということを主題にしたいと僕は思っているのだ……