文体練習

片根伊六(かたねいろく)による、詩、物語、小説、エッセイなどを掲載しています。

僕は目が覚めて明かりをつけた。

            僕は目が覚めて明かりをつけた。

彼女が眠っている。 熟睡している。 うつぶせで、顔がこっちに向いている。 まぬけな顔だ…… 夜中の蛍光灯の明かりは 異常に明るく感じる。 そして部屋の中は、しーんとしている。 この人、誰だ? どんなふうに産まれたのだろう。 中学生の時には どんな友達がいたのだろうか。 親や弟をまだ見たことがない。 この人の親や弟って 本当にいるんだろうか? いっしょにいることが 不思議な、神秘的なことのように思えてきた。 僕は、その感じを面白がりながら しばらくの間 じっと、そうしていた。 この人、誰だ? 僕は彼女のパジャマのズボンを 下ろしてみた。 そして下着もおろした。 すると、顔と尻だけが丸出しになった。 彼女は口を開けている。 とてもまぬけなかっこうだ。 僕は、部屋と彼女をその状態にしたまま カギをかけずに外に出た。 彼女は誰だ? 誰もいない道路を、僕は ニヤニヤしながら歩いていた。 コンビニへ向かって……