文体練習

片根伊六(かたねいろく)による、詩、物語、小説、エッセイなどを掲載しています。

石ころについて

            たとえば、この石ころは

ぼくが今こうして拾い上げなければ 永遠に誰からも注意を払われることなく ただじっと、孤独に 消滅を待つだけだったのだ

ぼくのように

世の中のあらゆる事物は 悲しい

どんな物でも 一〇分も見つめていれば ある瞬間から (ぼくの経験では六分くらいたったころから) 見えてくる

悲しみが滲み出てくるのが……。