文体練習

片根伊六(かたねいろく)による、詩、物語、小説、エッセイなどを掲載しています。

直方体について その2 (詩)

            20代のころは立方体や球体や正四角錐など

完全な形が好きだっだ。

今は直方体の方がすごいと思うようになった。

直方体は恐ろしい。

部屋の中に直方体はいくつある? 平べったいの、長いの、どっしりとしたの、 かわいいの、シックなの、軽やかなの、 ハイテックなの、おもしろいの・・・

まったく同じ直方体は存在しない。 それでいてどれも直方体としか言いようが無い。

立方体がたくさん集まると 主張になってしまうけど、 直方体がいくら集まっても オフィスかマンションになるだけだ。

手がらや著作権を主張しない。 果てしなく増殖していく。

直方体の中には、 果てしなく、いろんなものが詰め込まれていく。

10年前にはコンセプトもなかったような コンテンツが、設計者にも把握できない規模で 自動的に詰め込まれていく。

ひとつとして同じもののない 無色透明な直方体。