文体練習

片根伊六(かたねいろく)による、詩、物語、小説、エッセイなどを掲載しています。

夕ご飯までには帰ります (詩)

            高い木の右半分が明るい緑色に輝いている。

幹がすらっと高い位置までまっすぐ立っている。 その上の卵型の葉っぱがゆらゆらしている。

後ろに山がある。 自分があの山の中のどこかにいるとしたら、 顕微鏡でも使わないと見えないだろう。 山に来ると、自分が小っちゃくなれるからいい。

すこし冷たい風が吹いている。 きれいな風だ。 鼻がすーっとして、風邪がなおりそう。 木が揺れている音が、だんだん大きくなったり、ぴたっと止まったりする。 オーケストラだったら、たいへんだろうな。 何千本、何万本もの木が、自然な感じでなっている。

夕日が暖かいのがいい。 暖かい気分になる。 座り心地のいい場所をみつけて、ゆっくりしたくなる。

前の茂みの向こうに、梅の桃色っぽいのが、すこし見える。 まわりには、この梅以外に、目立つ色はない。 ちょこんとあるのが、とてもきいている。

遠くで草刈り機かチェーンソーのウーン・ウーンという音が聞こえるけど それも含めて、とてもおもむきがある。