文体練習

片根伊六(かたねいろく)による、詩、物語、小説、エッセイなどを掲載しています。

私の脳シナプスの幻影 (詩)

            私は、私の脳シナプスの幻影であることを、ともすると忘れてしまいます。

無邪気に生活をいとなんでしまうのです。 あらゆる感覚が生々しく、ほこりのひと粒ひと粒が……、ちぎれたトイレットペーパーでさえも……、確かに疑いなく在るように感じられて、困ってしまいます。

プラスチックのフタの完全な円形と、コーヒーの汚れ。 キーボードの配列と指の動き。 天井を透視するイメージ。 ぶよぶよふやけていく体。 分割と合併をくりかえす日常生活。 簡単なのと、難しいの。 穏やかなのと、厳しいの。 楽観と、絶望の少し手前。 くり返しくり返しくり返し。 明るすぎるライトと人々の形。

壁の曲面の半径をイメージすると、ちょうど私の真ん中が中点になっていて、すべて納得がいった。