文体練習

片根伊六(かたねいろく)による、詩、物語、小説、エッセイなどを掲載しています。

ひとこともしゃべらないで

            森の中に

木はたくさんあるけれど みんな ひとこともしゃべらないで だまって 立っています

さびしくないのでしょうか?

枝と枝がかさなって 大きな屋根をつくっているけれど みんなけんかもしないで だまって 立っています

まるまる太ったの 枯れてやせっぽっちなの 折れて倒れたの それぞれ いろいろあるけれど

横でだまって 立っているだけです

同情したり うらやんだり じぶんのことと置きかえたり きょうくんにしたり 恐がったり よろこんだり ねたんだり しないで

ただじっと横で 立っているだけです

たまに小鳥がやってきて 枝で遊んだりする時は

ちょっとうれしかったり するのでしょうか?