谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (18) 第一発見者だと主張

私は羊歯の葉に指先を触れたまま、ぎこちなくあせって下半身の衣服を脱いだ。裸の尻が落葉に接するや否や、羊歯と私を結ぶ感覚の流れは、めまいを感じさせるような速さにたかまった。もはや指先を触れているだけでは我慢できなかった。私は上半身の衣服をめくり上げ、身体を半回転させて、裸の胸で羊歯の上へおおいかぶさった。『自選 谷川俊太郎詩集』p.157

 一人でいる時に、この世でまだ誰もやってないような事をして、それを書いて発表することは、原理的には、科学的新発見を論文で発表するのと同じことだと思います。
 それに価値があるかどうかは別にして、自分が第一発見者だと主張することができます。

 お尻を出して羊歯の上に寝転ぶことは、やろうと思えば誰でもできることです。お金もかかりません。人が誰も来ないような場所を探してやれば、犯罪にはなりません。もし誰かに見られてしまったら不審に思われるかもしれませんが、それくらいのリスクはあった方が、アドレナリンが出て感覚が鋭くなると思います。

 外でお尻を出すのはハードルが高いというのでしたら、例えば、自分の部屋で、深夜2時から3時の間の1時間、消えたテレビの画面を見続けて、それについて何か書いてみるのはどうでしょう?
 1週間断食した僧侶と同じとまではいかなくても、ちょっとした悟りのようなものが、ひらけるかもしれません。