クロマニヨン人と濃いオレンジの赤

クロマニヨン人と
海岸で会った

いつから居たのか
右側をふと向くと
横に立っていた

彼女もこっちを向いたので
目が合った

声はかけなかった

山で会った人どうしが
あいさつする感じで
ちょっと
おじぎだけした

彼女は
水平線の向こうを
ずっと見ていた

僕も
ちょっと離れたところで
同じ方向を見ていた

旦那さんか
兄弟かなんかの
家族が
漁にでも
出ているのだろうか?

僕は少し下がって
平らな
ちょうどいい高さの岩に
こしかけて
見ていた

太陽が
1秒間に1センチづつくらい
じわじわと
下がっていく

濃いオレンジの赤の
生き物みたいな道が
波の上に
めらめらとして
彼女の方にまっすぐ
通っている

彼女の家族は
大丈夫だろうか?

彼女はどうする
つもりだろうか?

僕は
静かに立ち上がって
動けずにじっとしていた