片根伊六 帳

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2017-09-25から1日間の記事一覧

眠らない夜

内蔵がシビれて、グニャグニャたるんでいる。 身体がネイティブになってくる。 熱い。 幼児体験が動きだす。 ゴニョゴニョと右肩の上で ハイハイしている。 ヨチヨチしている。 遅い。 もっと速く。速く、速く! 彼女との薄暗い月夜のF棟屋上での アジア的…

僕は目が覚めて明かりをつけた。

僕は目が覚めて明かりをつけた。 彼女が眠っている。 熟睡している。 うつぶせで、顔がこっちに向いている。 まぬけな顔だ…… 夜中の蛍光灯の明かりは 異常に明るく感じる。 そして部屋の中は、しーんとしている。 この人、誰だ? どんなふうに産まれたのだろ…

北川浩二詩集『涙』について

<p style="padding-left: 60px;">思っていたよりずっと長く 握手をしたり 手が肩にそっとおかれることがないと どうなるのか考えたい 「行為」より 僕は北川さんの文尾に注目したい。「どうなるのか考えたい」となっている。「どうなるか考えてごらん」でも「どうなるか考えた」でもない。「</p>…

微細な転機

怠惰な生活から いつの間にか少し 良い方向に気分が転がっていた という時の感じは ストン… と落差があって むしろ それまでの流れより下の流れに 移行した感じがあって ふぅ~ という感じで 心地よく 少し後退して 一度 とりまく空間が静止し しばらくして …

内部爆発

森の中のコーヒー屋。 雨が降っている。 暗い配色のしめった樹木が 内部爆発で破裂する ところを白昼夢のようにイメージした。 それは、 ある一匹のカブトムシが発明した 昆虫世界における 原子爆弾的なものであった。 コーヒーカップを 返却カウンターに も…

内部から

新しい細胞ができなくなる。 染色体が破壊されたのが原因らしい。 (胃の中に重い唾が溜まっていく) 白血球が急激に少なくなっていく。 治療方針が検討される。 白血球の型が合う人を探して採血して移す。 染色体は身体の設計図。 放射線が設計図を破壊する…

雪女と渡り廊下

彼は雪女に会ったことがある。 14才だった。 冬の満月の夜だった。 夢の中か、空想の中か、 現実の中だったのか…… 定かではない。 ただ、彼の記憶の中に、 雪女に会ったという 記録が確かにある。 彼と雪女は、学校の渡り廊下の、 ちょうど真ん中ですれ違…

電車とゾウ

先頭の車両に 首の長いゾウが乗っている。 臭いで分る。 運転士はムチで威嚇しながら どうにかこうにか走らせているようだ。 電車の中でタバコをすっている人を 初めて見た。 エナメルの紅い靴 汚れたコンバース 渋いスゥエード。

誰だ?

誰だ、誰だ、誰だ? そこに居るのは、誰だ? 紅い服を着ている。シャープな顔立ちをしている。 やっかいな存在だ。 僕を憎まないでください。 僕を上空から見透かさないでください。 温かく見守らないでください。 僕は逆境に慣れていないのです。 誰ですか…

窓辺で書く女 (1932年,油彩,画布)

美しい人は 分割して見なければならない 美しい幾何学が にじみ出てくる 幾何学が部屋中を満たすだろう 窓の外まで溢れだして 地球が 美しい 球体になった 空間は 再構成されていく

石ころについて

たとえば、この石ころは ぼくが今こうして拾い上げなければ 永遠に誰からも注意を払われることなく ただじっと、孤独に 消滅を待つだけだったのだ ぼくのように 世の中のあらゆる事物は 悲しい どんな物でも 一〇分も見つめていれば ある瞬間から (ぼくの経…

人生時間方程式

「生→成長→老化→死」 一般的に人間の時間は この式にしたがっている とする。 最初の→を 矢印① 2つめの→を 矢印② 3つめの→を 矢印③ とする。 僕は今 矢印②を流れていると感じる。 もはや純粋に 時間の流れ=成長 ではない。 少しづつ老化のニュアンスが 混…

深夜

深夜になると、人はいなくなり 街は広々している。 ぼく以外に誰もいない世界に来たようだ。 アーケードにも、公園にも誰もいない。 ジブリ美術館には、 ラピュタの兵士がとり残されている。 宇宙の果ての事を考えてしまう。 地球規模の映像をイメージしてし…

沼地の底の穴

二進数から十進数へと変換するようにして 明るい何かをよみがえらせて下さい。 オヤジの舌打ちと煙と電磁波が 僕の沼地の底に穴を開けようとしています。 寒い場所でブーツの女の人が 両手でホットコーヒーを持っている。 カーブする乳白色の模様の間から 熱…

視-線をたどって

僕に、まっすぐに向けられた視-線をたどって、彼女の意識空間へもぐり込む。意外に明るい、その狭くて広大な、重さのない何かの中で、僕は記憶装置を見つけるためにスタコラサッサ…スタコラサッサ…と飛びまわる。 分からない、まったく見当もつかない。養老…

山手線で夜

目をあけると横の 雑誌集めのオヤジさんが立ちあがる ところだった。 山手線で夜 目をつむっていたのだ。 川の流れる風景をキャッチしたので しばらくの間 集中していたのだ。