片根伊六 帳

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2018-02-13から1日間の記事一覧

武器 (詩)

彼はもともと武器ではなかった。 礼儀正しくて大人しい道具だった。 近所でも「良い道具だ。良い道具」だと評判だった。 何か環境が悪かったのかもしれない。 時代の流れについていけないと感じたのかもしれない。 だんだん、うっくつしていって、 嵐の夜に…

市場原理と資本主義と民主主義と歴史が完成した後の、密かな革命 (詩)

人工知能を搭載した買い物ロボットが、買い手にもっとも有利な商品を買ってくるようになった。 人工知能を搭載した販売ロボットが、お店がもっとも利益を出せる値段で販売するようになった。 そして、市場原理が完成した。 「お客様のために」とか、「あの人…

「新しい」と「面白い」について (詩)

夜中に暖房をつけないで、起きている。 熱い麦茶を、義理の母からもらったコーヒーカップで飲んでいる。 焼き物で有名な町でつくられた、白い厚めのカップだ。 面白いものをいくつか見つけて、読んだり見たりすることができた。 面白いものを見つけると、少…

チェック項目 (詩)

(1)寒い季節に日が差して、山の画質がくっきりしていると、しばらく見ている。 (2)みんな寝ている夜中や早朝に出かけたり帰って来たりした時、 星や星座がくっきりと空に広がっていたら 建物で見切れているところを見るために、少し移動する。 (3)…

観光地じゃないダムに来ている。 (詩)

観光地じゃないダムに来ている。 ひとっこひとり居ない。 巨大な山をぶったぎるように、遠近法をきかせた上に立っていると、前衛映画の中に、ひとりぼっちで、閉じ込められたような感じになる。 静止した風景のなかを、すごい勢いで風が通り抜けていく。 夕…

ゆっくり音楽を聴く時間がとれるといいな。 (詩)

ゆっくり音楽を聴く時間がとれるといいな。 生活の具体的なことを考えないで、抽象的な何かについて考えたい。 濃いすぎず薄すぎないコーヒーを飲みながら。 思考に集中できなくなったら散歩をする。 風景のあちこちを新鮮な気持ちで見て、思考を停止させる。…

スナフキンの曲 (詩)

ムーミンの文庫本が家にそろっていて たまに読み返す。 スナフキンが曲を作ろうとする話が特に好きで、 どこに入ってたかな...と 探し出して読むことがある。 ある素晴らしい曲が頭の中にあって あとは楽器を使って出すだけなのだが、 それが難しい。 早く出…

住宅展示場、ターニングポイント、「私」のAIと対話 (詩)

住宅展示場のような街並み 平日の日中は誰もいないんだな 家の中には専業主婦さんがいるのかも たまに、電気かガスのメーターを見る人が通りかかる その中心にある公園から 360度ぐるっと動画を撮影した 『海賊とよばれた男』の1章を読み終えた 何度も涙…

やることが山積み (詩)

やることが山積みだったり 問題が大きすぎたり 拘束される時間が長すぎたり 終わりが見えなかったり 考えるための脳の容量がほとんど残っていなかったり 眠かったり もうろとしたり している時は 心の中で声を出そう 誰も居なければ、本当に声に出そう 「結…

黒服に緑のエプロンの人たちの原動力について (詩)

黒服に緑のエプロンの人たちが、くるくるとまわっている。 古くて陽気な音楽に合わせて、ある人は歩き、ある人は横をすり抜ける。 ある人は笑顔でステップをふむ。しゃがんで、立って、右に2メートル 左に1.5メートル、前に1歩、後ろに2歩、ターンして…

ら行の練習 (詩)

奥歯の上の方がにんまりする。 目の方に向かって、ひらがなの伝言がのぼっていく。 息が漫画みないに赤っぽくなる。 15度かたむいたり、戻って反対側に5度いったりする。 頭の中に大きなカニがいるようになっている。

風と雲 (詩)

葉っぱになった桜並木を、風が冷たくさわって行きます。 「今日はだるいな」風は言いました。 「うん、今日はまったくダメだね」暗い白いろをした雲も、ヘリコプターをうっとうしそうに見ながら言いました。 向こうから黒い2つの点々が、こっちの方に近づい…

不正した人について (詩)

評論家に言わせれば、それは、 「根本的な新しさはなく、大胆なバリエーションにすぎない」 ということになるのだろうが、 いくつかの、「大胆なバリエーション」が織り重なった、 「細部に神を宿らせる」ことに成功している作品は 根本的に新しい感動を与え…

寝室 (詩)

ここはどこだろう? 長女が寝返りをうって寄って来たので ぎゅっと抱きしめた。 この人は誰だろう? 向こう側にいる次女の髪の毛を そっとなでた。 スチールのふすまがそっと開いて 「いい演技だったね」と 助監督が声をかけてくる。 最終利益のことを考えて…

パケット君とマネキンの指 (詩)

はじめての切ない思い断ちましたパケット君が運んでくれる 木漏れ日が乱反射するマネキンの指で綴った別れのメール

「情報」的な言い回しがまじってしまって (詩)

わざわざ、「真実の」「本当の」「リアルな」「ガチで」 とか言っているものは、あやしいと感じる。 憑依されたように 精神の異常で思い込んでしまっているように 演じられると、惹きこまれてしまう。 よくできたノンフィクションも。 ビジネス書でも、株の…

アクリルのフタ (詩)

僕はここから抜け出せるのだろうか? アクリルのフタがかぶせられている。 自由にどこにでも行けるという気がしない。 妙に穏やかな表情で、 感情をこめている雰囲気をよそおって 感じよく挨拶をしているだけだ。 活気に満ちた気持ちは アクリルのフタを通過…

泣くことについて (詩)

子供はよく泣く。 身体的苦痛があったら泣く。 精神的苦痛があっても泣く。 人目をはばからずにすぐ泣く。 大きくなるにつれて泣かなくなる。 大人になるとほとんど泣かない。 中学生になるくらいが 境目かもしれない。 大人が泣いていると、 非日常的な感じ…