文体練習

片根伊六(かたねいろく)による、詩、物語、小説、エッセイなどを掲載しています。

レビュー(感想)

『フラニーとズーイ』を読んで、神様の存在について

神様の存在を、僕は否定できないな。一〇歳のころに、爺ちゃんが関わっていた宗教に、僕が参加していたことが大きな要因であることは、間違いない。 それを論理的に拒絶する年齢になる前に、なんとなくそこから離れていったのもだから、かえって今もなお、神…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (13) ひらがなの不思議

はなびらはさわるとひんやりしめっているいろがなかからしみだしてくるみたいはなをのぞきこむとふかいたにのようだそのまんなかから けがはえているうすきみわるいことをしゃべりだしそうはなをみているとどうしていいかわからないはなびらをくちにいれてか…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (1) リズム

詩の多くは、文章の途中で改行をしています。改行には、どんな効果があるのでしょうか? 改行をなくして普通の文章にすると、詩ではなくなるのでしょうか? また、普通の文章に改行を入れていくと、詩になるのでしょうか? 谷川俊太郎さんの詩を読んで考えて…

それこそが本当の働き者のしるしなのよ

久しぶりに『浴室』を読んだので、『ムッシュー』も読んでみようと思った。どんな話だったか忘れたが、わくわくして読んだ記憶がある。パラパラめくると、線をたくさん引いている。 あなたっていつでもまるで何にもしてないような様子だわね、と彼女は折を見…

『15歳の寺小屋 ひとり』吉本隆明(著)

創作の本質は、この〈転換〉にあるんですよ。どんなに長い小説であろうと、この〈転換〉の連続だと言っていい。つまり〈転換〉をどう描くかが、うまい小説になるかどうかのいちばん肝心なところで、芥川はそれを非常に素朴に忠実に自分の作品の中で使ってい…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (19) 事実を書くときは時間をおく

その日から三十年余が過ぎた 別れたひとはもうこの世にいない 哀しみにくるまれていた歓びの思い出 束の間へと切り刻まれる永遠 『谷川俊太郎.com』「こぼれる」より これは、奥さんと別れた時のことが書かれた詩だと思われます。 30年以上前のことを、な…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (18) 第一発見者だと主張

<strong>私は羊歯の葉に指先を触れたまま、ぎこちなくあせって下半身の衣服を脱いだ。裸の尻が落葉に接するや否や、羊歯と私を結ぶ感覚の流れは、めまいを感じさせるような速さにたかまった。もはや指先を触れているだけでは我慢できなかった。私は上半身の衣服をめ</strong>…

『まどさんへの質問』大橋政人(著)のレビュー

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このスマホ無料詩がすごい!⇒「ミドリガメと父親」一条(著)

<a href="http://bungoku.jp/monthly/?name=%88%ea%8f%f0#a07" rel="noopener" target="_blank">「ミドリガメと父親」一条(著)</a> 難解度:小 明るさ:やや明るい 「飼育していたミドリガメを排水溝に誤って流してしまったのは、父親が家を出た翌日だった。」という感じで始まる短い文章で、現実に起こりうる言えば言える内容だが、なぜかSFを読んでいるよ…

このスマホ無料詩がすごい!⇒「椅子」福山てるよ(著)

<a href="https://www.japan-poets-association.com/contribute/%E7%AC%AC%EF%BC%98%E6%9C%9F%EF%BC%882017%E5%B9%B41-3%E6%9C%88%EF%BC%89%E5%85%A5%E9%81%B8%E4%BD%9C%E7%99%BA%E8%A1%A8/" rel="noopener" target="_blank">「椅子」福山てるよ(著)</a> 難解度:中 明るさ:暗い 何かを暗示しているような、何も暗示していないような……。何か起こりそうな、けっきょく何も起こらないような……。平易な言葉で…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (17) 少ない語彙

慣用句や常套句を知らない子供が、少ない語彙を使ってなんとかして伝えようとする時に、かえってそのものズバリを言い当てるような、鋭くて新鮮な言葉が出てくることがあると思います。でもそれはもちろん偶然の産物で、確率的にはめったに起こるものではあ…

『左右の安全』アーサー・ビナード(著)のレビュー

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このスマホ無料詩がすごい!⇒「JIVE MY REVOLVER」TOKYO No.1 SOUL SET(著)

<a href="https://www.uta-net.com/movie/90920/" rel="noopener" target="_blank">「JIVE MY REVOLVER」TOKYO No.1 SOUL SET(著)</a> 難解度:中 明るさ:暗い 刺さる言葉がたくさん出てくる。 「根本的な新しさはなく 大胆なバリエーションにすぎない」というところなど。 皮肉を言われるとムッとするものだが、鋭い批評性のある言葉で言われる…

このスマホ無料詩がすごい!⇒『雨になる朝』尾形亀之助(著)

<a href="https://www.aozora.gr.jp/cards/000874/files/3396_9729.html" rel="noopener" target="_blank">『雨になる朝』尾形亀之助(著)</a> 難解度:中(古い文章なのでちょっと読みにくい) 明るさ:やや暗い 大正時代の有名な詩人です。 一日じゅう暇そうにしていて、たまに詩を書くくらいしかやることが無いといった感じ。 どうでもいいような日常のことが書かれて…

このスマホ無料詩がすごい!⇒「武士のつかい」佐野権太(著)

<a href="https://po-m.com/forum/showdoc.php?did=104161&from=osusume.php%3Fosuhid%3D6592" rel="noopener" target="_blank">「武士のつかい」佐野権太(著)</a> 難解度:小 明るさ:とても明るい こういう明るくて、ユーモアのある詩はあまり見つかりません。 こういう詩も、もっと読みたいです。

このスマホ無料詩がすごい!⇒「やまなし」宮沢賢治(著)

<a href="https://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/46605_31178.html" rel="noopener" target="_blank">「やまなし」宮沢賢治(著)</a> 難解度…中 明るさ…やや暗い 一般的には童話に分類されますが、詩として読む方がぴったりくるように思います。 小さなカニの子供の視線で、川底の恐くて美しい光景をまのあたりに感じて、ゾクッとします。

このスマホ無料詩がすごい!⇒「ランドスケープ」DFW(著)

<a href="https://po-m.com/forum/showdoc.php?did=320718&from=osusume.php%3Fosuhid%3D6592" rel="noopener" target="_blank">「ランドスケープ」DFW(著)</a> 難解度…中 明るさ…やや暗い とても知性と美的センスに富んだ詩だと思います。「このスマホ無料詩がすごい!」という題でブログを書こうと思った、きっかけになった詩です。

『電話ボックスに降る雨』北川朱美(著)のレビュー

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『オバマ・グーグル』山田亮太(著)のレビュー

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『グラフィティ』岡本啓(著)のレビュー

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『ロックンロールは死んだらしいよ』山崎修平(著)のレビュー

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『見えない涙』若松英輔(著)について

『<a target="_blank" href="https://www.amazon.co.jp/gp/product/4750514985/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4750514985&linkCode=as2&tag=iroku-22&linkId=1d77ba9280c25d3dac0b02dc15ddea9e">見えない涙</a>

『絶景ノート』岡本啓(著)について

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『パパはステキな男のおばさん』石井睦美(著)のレビュー

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『響』の新鮮さは、少女漫画と少年漫画の要素が融合されているところから来る

NHKの『100分 de 名著』で『赤毛のアン』が紹介されていて、興味がわいたので読んでみた。話に引き込まれて、一気に読んでしまった。 現代の少女漫画の原型的な要素がたくさん入っていると感じた。 ・主人公の少女は、不幸な家庭環境で育った。 ・そのせ…

『狸の匣』マーサ・ナカムラ(著)を読んで、物語に終わり方について考える。

どんどん足音をたてて二人に近づき、正面から、父の舌を無理矢理に引きずり出した。そうして、幅一メートルほどの父の舌を、自分の体にぐるぐると巻きつけた。 「お父さんがなめたから、こんなにびしょびしょになっちゃった」 父を背に仁王立ちして、母をに…

『早く家へ帰りたい』高階紀一(著)について

高階紀一さんの『<a target="_blank" href="https://www.amazon.co.jp/gp/product/4904816080/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4904816080&linkCode=as2&tag=iroku-22&linkId=c1f367624e2cc1eec94ba6528637cf2d">早く家へ帰りたい</a>

『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ著について

『<a target="_blank" href="https://www.amazon.co.jp/gp/product/4151200517/ref=as_li_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4151200517&linkCode=as2&tag=iroku-22&linkId=d1dc7b751c077e4f14069a6e86a6fedc">わたしを離さないで</a>

五木寛之著『青春の門・筑豊篇』 ―――読者の肩代わりをして心の整理をつけてくれる主人公―――

『青春の門・筑豊篇』五木寛之著を読み始めた。 以前から気になっていたのだが、図書館で見かけて手に取った。 本屋にばかり行っていると、なかなか出会うことのない本だと思う。 筑豊炭鉱の荒々しい世界で育つ信介の成長物語になるのだと思う。 日常生活で…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (16) 「僕」=作者と思われたくない時

<strong>何もないところに 忽然と立っている ひとりの女とひとりの男 そこからすべては始まる 青空? よろしい青空をあげようと誰かが言う そしてふたりの頭上にびっくりするような青空がひろがる 地平線? よろしい地平線をあげようと誰かが言う そしてふたりの行く</strong>…