片根伊六 帳

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詩(暗示度:中)

観光地じゃないダムに来ている。 (詩)

観光地じゃないダムに来ている。 ひとっこひとり居ない。 巨大な山をぶったぎるように、遠近法をきかせた上に立っていると、前衛映画の中に、ひとりぼっちで、閉じ込められたような感じになる。 静止した風景のなかを、すごい勢いで風が通り抜けていく。 夕…

黒服に緑のエプロンの人たちの原動力について (詩)

黒服に緑のエプロンの人たちが、くるくるとまわっている。 古くて陽気な音楽に合わせて、ある人は歩き、ある人は横をすり抜ける。 ある人は笑顔でステップをふむ。しゃがんで、立って、右に2メートル 左に1.5メートル、前に1歩、後ろに2歩、ターンして…

寝室 (詩)

ここはどこだろう? 長女が寝返りをうって寄って来たので ぎゅっと抱きしめた。 この人は誰だろう? 向こう側にいる次女の髪の毛を そっとなでた。 スチールのふすまがそっと開いて 「いい演技だったね」と 助監督が声をかけてくる。 最終利益のことを考えて…

パケット君とマネキンの指 (詩)

はじめての切ない思い断ちましたパケット君が運んでくれる 木漏れ日が乱反射するマネキンの指で綴った別れのメール

「情報」的な言い回しがまじってしまって (詩)

わざわざ、「真実の」「本当の」「リアルな」「ガチで」 とか言っているものは、あやしいと感じる。 憑依されたように 精神の異常で思い込んでしまっているように 演じられると、惹きこまれてしまう。 よくできたノンフィクションも。 ビジネス書でも、株の…

直方体について その2 (詩)

20代のころは立方体や球体や正四角錐など 完全な形が好きだっだ。 今は直方体の方がすごいと思うようになった。 直方体は恐ろしい。 部屋の中に直方体はいくつある? 平べったいの、長いの、どっしりとしたの、 かわいいの、シックなの、軽やかなの、 ハイ…

泳ぎながら、微分か積分か

マグロかサメかどっちか 止まると死ぬという話を聞いたことがある。 泳ぎながら寝るらしい。 ある種の人間は、 止まると死ぬ、マグロかサメみたいだ。 「好きな事を仕事にできて 面白い人生だろう、と思われてるかもしれないけど そんなことない。おもしろく…

断ち切る

DVの人は、飴とムチを乱用するというような話を NHKかなんかのテレビで前に見たことがある。 むちゃくちゃ暴力を振るったかと思えば 心の底から愛しているということを せつなげに伝えてくる。 だから、ちゅうちょしてしまうのだ。 DVじゃないけど、 こ…

夜は寝ないと

規則正しい生活をしていれば 幸せになれる気がする と初めて思った。 夜は寝ないとね。 朝になって 子供たちや 自転車や 仕事が 嫌にならないように。 夜に寝ないと 世の中の裏側で生きている感じに なってしまうんだ。 表と裏で二重に生きるのは つらい。 …

消えたテレビの画面の向こう側の部屋で

いわゆる時間と空間の制約がなくて 今から前後100年くらいの間の 世界中の人々のなかから、友だちを選べるとしたら ぴったりとした友だちができるかな? ぴったりとした友だちはいますか? ふとした瞬間に 家族やいつもいっしょにいる「友だち」のことを…

マンションのランダムな部屋での

マンションのランダムな部屋での 様々な始まり 様々な深さ 縮図のような 交わらない、いくつかの恋愛 つらいのや、うれしいのや、さみしいの ピックアップしたとしても 消していったとしても 一人分しか分からない

生物学的に

私の感情や考えは、 人類が進化の過程で獲得した 最適なパターンに従っているのでしょうか? イラついたり、安心したり、喜んだり、可愛がったり 工夫したり、努力したり、向上心だっり、落胆だったり するのは、 なにかしら人類の生存にとって 必要な反応な…

のどから重いものが上がってくる

のどから重いものが上がってくる 顔が重くなってくる 目をつむる 誰かが溶け込んでくる 鼻からのどに向かって 熱いすじがビリビリしてくる 涙が出てくる 体が溶け込んでいく 一人だとか 一人じゃないとか 意味が分からなくなってくる 直感で すべてが分かっ…

ゾウの滑り台

部屋の中にゾウの滑り台があります。 これで子供がよく遊びます。 くっきりとした陰影のあるプラスチックです。 プラスチックは石油からできているんですよね? サウジアラビアの油田でとれたのかな? ゾウの鼻の部分はでぱってって危ないので外してあります…

「人に魂は入っていない」という話にも飽きてきた。

「人に魂は入っていない」という話にも飽きてきた。 人がパソコンみたいな機械だとしても インストールされるアプリは様々だし コンテンツはさらにたくさんあるから けっきょく世界に一つだけの花じゃない? と思ってきた。 「自己意識は、つまり君は、回路…

まっくらな中から生まれてくる

いつもまっくらな中から生まれてくると思う。 いろんなものは、まっくらな中から生まれてくるもの なんじゃないだろうか? まっくらな中は、黒くすき通るごくごく小さい点々で うめつくされているのだと思う。 重さがないから方向もなくて、 どこにも何も無…

わたしは旅に出ているのだ。 どこから旅立ったかは忘れたが、 どこかに戻ることになるだろう。 この部屋も旅先の宿である。 わたしは今、輪廻転生の概念を悟ったのだろうか? 人生は続くのだと分かった。 (わたしは時間の存在を疑っているのだ。) わたしは…

紙コップの女神様

紙コップに描かれている女性は、微笑んでいる。 髪がが長くて、星の飾りのある王冠をかぶっている。 何かの女神様かな。 きっと優しいに違いない。 しばらく本を読んでいて、ふと紙コップに目を戻すと、女神様と目が合った。 僕を、にらみつけている。 冷酷…

僕はテレビ(自己意識機能を標準装備、オプションで自由意志機能を搭載)

僕はテレビだ。 ただし、家庭用のテレビと違って、自己意識機能が標準装備されている。 そのため、自分がどんな映像を流しているかが分かるようになっている。 この機能を使いこなせば、「これは面白い」とか「つまらない」とか「良い」とか「悪い」とか、自…

僕の目と耳を使って

わたしたちの祖先が 「神は存在しない」 と認めたように わたしたちも 勇気をもって 認めよう 「わたしたちは存在しない」 と わたしたち70億人の こころの中に 魂なんてものは 存在しないと わたしたちのこころは さまざまな情報の 演算結果にすぎない 五…

サピエンス

やあ、サピエンス! 君は大切なブラザーだ。 やあ、サピエンスさん! あなたは親愛なるシスターだ! やあ、サピエンスさんたち! あなたたちはみんなファミリーだ。 地球っていいよね! 森羅万象、だね! ぼくたちみんな 連帯責任だね!

止まった光と動いている光

時間の流れ具合がかわるのです。 熱とは違った種類の寒気を感じるでしょう。 止まった光がゴミを美しく輝かせています。 誰も居なくなってしまいますが、 あらゆる人のことが分かるようになります。 背表紙の活字は規則正しくじっと待っています。 何か話し…

風力発電機と扇風機が向かい合っている。

真夏の夜のとある海上で 風力発電機と扇風機が向かい合っている。 エネルギーが循環しているんだ! エコだよね! この装置は 人の生活に役立っていないので 芸術の一種と言えなくもない。

貧乏ゆすりをしながら、リズムをきざむ。

貧乏ゆすりをしながら、リズムをきざむ。 まったりとしたムカムカがまとわりつく。 熱いお風呂に入る気力がでてこないんだ。 すんなり眠れて、そのまま朝だといいな。 頭をぱしぱし叩くと、治る気がするんだ。 空間に話しかけて、心の限界を確かめる。 胃の…

真夜中に

真夜中に出歩いてはいけません。 真夜中にふらふら歩いていると真っ白い空間に行き着きます。 真っ白い空間には金色のヒマワリが咲き乱れていて、 その中ほどに地下へと続く階段が隠されているのです。 決して、その階段をおりてはいけません。 階段をとこと…

時間の流れ具合

時間の流れ具合がかわるのです。 熱とは違った種類の寒気を感じるでしょう。 止まった光がゴミを美しく輝かせています。 誰も居なくなってしまいますが、 あらゆる人のことが分かるようになります。 背表紙の活字は規則正しくじっと待っています。 何か話し…

美しい音楽のつぶつぶ

美しい音楽のつぶつぶが流れてきて このヒトの 耳に入っていく 耳は音のつぶつぶを ひろい集めて ぜんぶ残らず記録する そして となりにいる 脳に どんどん渡していく トイレットペーパーのように ガガガーと すごいスピードで 渡し続ける ところで ぼくは …

内部爆発

森の中のコーヒー屋。 雨が降っている。 暗い配色のしめった樹木が 内部爆発で破裂する ところを白昼夢のようにイメージした。 それは、 ある一匹のカブトムシが発明した 昆虫世界における 原子爆弾的なものであった。 コーヒーカップを 返却カウンターに も…

内部から

新しい細胞ができなくなる。 染色体が破壊されたのが原因らしい。 (胃の中に重い唾が溜まっていく) 白血球が急激に少なくなっていく。 治療方針が検討される。 白血球の型が合う人を探して採血して移す。 染色体は身体の設計図。 放射線が設計図を破壊する…

電車とゾウ

先頭の車両に 首の長いゾウが乗っている。 臭いで分る。 運転士はムチで威嚇しながら どうにかこうにか走らせているようだ。 電車の中でタバコをすっている人を 初めて見た。 エナメルの紅い靴 汚れたコンバース 渋いスゥエード。