文体練習

片根伊六(かたねいろく)による、詩、物語、小説、エッセイなどを掲載しています。

詩(暗示度:大)

ボクの世紀

自覚的な女の子たちが、例の古くて新しい音楽に乗って、やがて、ボクの世紀を支配するだろう。間違い無いだろう。高度な、セルフプロデュース機能を搭載した女の子たちは、もはや、親父たちを必要としないのであって、君の世紀は寂しい、心細いことになるだ…

ああ

------とても無防備で完璧な 明るい 生まれたてに微笑むイメージが 早朝に放流されたホタル的に 光っている 僕の向こう側の奧で すぐ近くで------うれしいけど 圧迫された感じで 涙がでそうになるのだ------思いつきで動くのだから こっちで制御できないので…

多数の球体が飛び跳ねている(難解な小説風に)

僕の まわりには多数の球体が飛び跳ねているのだが この何もない 地面さえ無い空間の中で 何に反射して球体は飛び跳ねているのかというと それは僕が設定した仮想平面に なのであって しかし球体の方は言うまでもなく現実存在であり 僕は その不意の出逢いを…

ラヴィーヌ将軍と主婦Kyさん

ラヴィーヌ将軍がダンスを踊る。コミカルに。ちょっと古いけど。ちょっとオヤジ、入ってるけど。チョビ髭も踊る、ラヴィーヌ将軍。ジャンプ、びっくり、六〇センチ飛んだ。「なかなかやるじゃん」 ところで、ラヴィーヌ将軍って、誰? 謎のオヤジ。あぶない…

密やかな召集

ぎこちない腕をひきづりながら、輪郭の紅い、 黒い液体をゴクゴクと飲む。こよい、カラダ が心地よい麻痺状態で、ナニか特別な日の前 夜である、こよい、脳がピクピクと寒気を感 じている。天上の人々がラッキーな、元、地 上人でしかないと気づいた日から数…

脳の床

脳の床に、 重くて薄い平面が 降り積もっている。 何枚も何枚も、 何枚も何枚も。 紅くて暗い空間が どんどん狭くなっていく。 溶かす効果のある黒いものを2盃 振りかけたのだが、 固まって でこぼこになり、 収拾がつかなくなってしまった。 動かないギタ…

動きのある風景

そこに居るのは誰だ? 白い中にいる、光る灰色の人物。早く出てきてください。涙が流れる。僕は泣いてしまうぞ! 地面まで真っ白だ。等高線が消えていく…… 彼女が、この海の上を走ってきたのだ。赤い服を着ている。恐ろしいことだ。とても速いスピードだ。彼…

聴覚イメージ群

耳が熱い。重くて熱い。 大量・高速に 鋭いイメージ群が、 脳の中心に向かって 射出される。 ハイテク冷凍装置 の中に設置された 自動演奏 ピアノ 中心に達したイメージは、 とても純度の高い瞬間に、 きれいさっぱり消えてしまう。 デジタルデータ的に。 き…

純粋受験勉強

ぼくは試験にコミットしない 純粋受験勉強に熱中している イスラム教的な音楽が流れる とある ブルーモスクの中で (AD1999年) ぼくはトランス状態で 受験勉強を続けている 知的 かつ クールな 受験英語で ぼくは 受験数学の スタティックな小宇宙を …

受動的な紳士

  せつなくて苦しいので、ぼくは拘束されていると気づいたのです。――ぼくは蒲団を蹴飛ばして跳ね起きました。そして静かな黒い廊下を、行ったり来たりしていました。 (ああ。雑煮を食べ過ぎた時の感じだ。でも我慢しなければ。ぼくは紳士的な人物なの…

失業問題も含む、ちょっとした考察

ぐぐっと突き進む感じの僕の意欲が小休止(あるいは大休止)している間に、コンセプトがいくつか過ぎ去っていったとしても、 かわいそうな人みたいな顔つきになる必要はないのだ。 テレビの上の壁に「運と出合いとキッカケ」と書かれたメモ帳の一ページが 留…

思いきってやってしまう

思いきってやってしまうタイプの女性だ ボクの詩への出演を OKしてくれたんだ ボクは 意味ありげに どしどしやってもらった 真剣に 知的に解釈して なんだってやってくれた 顔がいいんだ 古いコンクリートの壁を背景にして 静止するんだ 伝統的な手法で 光…

子供と孫

「こ こ ここは……」 「何人かのズバ抜けた哲学者たちが創った」 「抽象世界だ」 急に 予定されていたかのように 目が覚めて 時計を見ると 2時7分だった (今は3時3分ジャストだ) 誰もいなくなっていたのだ そして 知り合いが大勢あつまっていたのだ 真…

黒色微粒子

真っ白な画面を見ると、 重苦しくなってしまう。 目をつむって、はやく向こう側の 黒色微粒子に溶け込まなければ。 (シグマリオンは画面が小さいから 向こうに行くのが難しい。) 新しいカレンダー空間が 僕の右斜め奥に向かって伸びて行っている。 カレン…

高速移動装置の中で

速い音楽の流れる高速移動装置の中で。 白い陰から現れたシックな女性に敬礼する。 君は、あなたは、おまえは、あんたは……。 僕は二人称を使うのが苦手。 シックな女性は僕を「タカシ」と呼んだ。 僕は彼女を「ケーワイさん」と呼んでみた。 僕が以前つくっ…

荒野に教会の鐘が鳴り響く。

荒野に教会の鐘が鳴り響く。 ぐんぐんテンションが高くなる。 ぐんぐんぐんぐん、ぐんぐんぐんぐん…… そこで君が登場するのだ。 これでもかというくらい、めいっぱい 溜まったところで、 グゥワァンという感じで鮮烈に、 「僕にその音楽を貸してください。」…

暗示的な公園

―――黒服の天使が池の周りを飛びまわっている。ある微妙な速さで。速すぎず、遅すぎもしない、環境に配慮したスピードで。―――「新しい書き手の発掘を目的に実施」あるいは「既成にとらわれぬ清新な作品を期待」している、とある秘密結社に報告してみたのだが…

ローズマリー

天使(彼女)と人間(僕)との禁断の(つかの間の)恋を楽しんでいた。ハッピーだった。でも、地平線に向かってバイクでブルルンと出発するイメージが夢に出てきたから、そろそろこの恋も終わりなのかもしれないね。こんな夜はブローティガンの『アメリカの…

ハーモニカ

暗闇の中から 白い活字が浮かび上がる。 そのハーモニカを吹く女の子の唇が ぼくを死なせた。 紅いスペースシャトルが 僕の星を、ついに見つけた。 星の中心部には僕の直感が隠されている。 紅い、黄色い、 直感が未来を語りはじめて、 そのハーモニカを吹く…

どこかで感じたことがある寂しさ

どこかで感じたことがある寂しさだ。 寒さと関係があるのだろう。 音楽とは違う種類の流れを感じる。 影には、ぼんやりとした白がよく似合う。 コートが、犯罪者のように斜め上から、 僕を見おろしている。 僕は、ある観点から見ると、 衰弱しているのかもし…

トウキョウ冬の陣

アシックスの白いブーツをはいた天使が敵の本陣に切り込んでいく。美しい不協和音としての少女。8倍速で再生される細い右腕からのピンポイント爆撃が、断続的に続く。空間がない、音だけの次元。システムの流れに逆う職人的な防御で敵の主力を攪乱させた。…

6時の部屋

顕微鏡から微生物が解き放たれる ボクの部屋が元素の集積に変わる 親密な人が現れて 何かボクに 話しかける 空気の振動を受信する 透きとおった空間が 漂っている コンポのイコライザーだけが ボクを 繋ぎとめる 朝なのか夕方なのか わからない6時の部屋で …

天使ではない

光に充ち満ちた透きとおった中に くっきりと浮かび上がる ぴーんと伸びた やわらかくて軽快な移動 見えない曲面にそって すい込まれていく音声記号 音楽と動きの意図的なズレから生まれる 一瞬のすきをついて 視線ですべてを操作する この物語は錯覚だ 寒気…