片根伊六 帳

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谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (13) ひらがなの不思議

はなびらはさわるとひんやりしめっているいろがなかからしみだしてくるみたいはなをのぞきこむとふかいたにのようだそのまんなかから けがはえているうすきみわるいことをしゃべりだしそうはなをみているとどうしていいかわからないはなびらをくちにいれてか…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (1) リズム

詩の多くは、文章の途中で改行をしています。改行には、どんな効果があるのでしょうか? 改行をなくして普通の文章にすると、詩ではなくなるのでしょうか? また、普通の文章に改行を入れていくと、詩になるのでしょうか? 谷川俊太郎さんの詩を読んで考えて…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (6) 著名なキャラクター

もう何度自分に問いかけたことだろうぼくには魂ってものがあるんだろうか人並み以上の知性があるとしても寅さんにだって負けないくらいの情があるとしても いつだったかピーターパンに会ったときに言われたきみおちんちんないんだって?それって魂みたいなも…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (19) 事実を書くときは時間をおく

その日から三十年余が過ぎた 別れたひとはもうこの世にいない 哀しみにくるまれていた歓びの思い出 束の間へと切り刻まれる永遠 『谷川俊太郎.com』「こぼれる」より これは、奥さんと別れた時のことが書かれた詩だと思われます。 30年以上前のことを、な…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (18) 第一発見者だと主張

<strong>私は羊歯の葉に指先を触れたまま、ぎこちなくあせって下半身の衣服を脱いだ。裸の尻が落葉に接するや否や、羊歯と私を結ぶ感覚の流れは、めまいを感じさせるような速さにたかまった。もはや指先を触れているだけでは我慢できなかった。私は上半身の衣服をめ</strong>…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (17) 少ない語彙

慣用句や常套句を知らない子供が、少ない語彙を使ってなんとかして伝えようとする時に、かえってそのものズバリを言い当てるような、鋭くて新鮮な言葉が出てくることがあると思います。でもそれはもちろん偶然の産物で、確率的にはめったに起こるものではあ…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (16) 「僕」=作者と思われたくない時

<strong>何もないところに 忽然と立っている ひとりの女とひとりの男 そこからすべては始まる 青空? よろしい青空をあげようと誰かが言う そしてふたりの頭上にびっくりするような青空がひろがる 地平線? よろしい地平線をあげようと誰かが言う そしてふたりの行く</strong>…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (15) 冷たい観察

<strong>かたすみに そのおとこは たっている てらてらと あかびかりする ぶかぶかのがいとう そのしたに かさねられた なんまいものしゃつ やぶれて くちをあけた かたちんばのくつ ぼうぼうにのびた かみのけのうえの よごれた とざんぼう てに わけのわからないも</strong>…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (14) 隠喩(いんゆ)のたねを最後に明かす

<strong>そしてあなたは自分でも気づかずに あなたの魂のいちばんおいしいところを 私にくれた 『魂のいちばんおいしいところ』p.91より 引用させてもらった部分は、表題作「魂のいちばんおいしいところ」の最後のパートです。この最後のパートを読む前までは、この</strong>…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (12) 短いけど長大な物語

<strong>摘んでから兵士は その花の名を知らぬことに気づいた くににいる女への手紙にその花をはさみ 名を教えてほしいと書いた 返事が来た 誰もが知っているありふれた名だった そのとき一発の弾丸が 兵士のこめかみを貫いた 詩集『魂のいちばんおいしいところ』谷</strong>…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (10) 彫刻のような詩

<strong>男は水平線を背にして 瓦礫を踏んで裸で立っている 落ち着いた面持ちだ何も持っていない 私と何の関りもない男だ どうしようかと思う 敵にしたくはないが 友人にするものうっとうしい 詩集『ミライノコドモ』谷川俊太郎著p.10より この謎めいた男の正体はな</strong>…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (9) 不完全な言葉

<strong>一瞬と歴史と永遠をごったまぜに 青空の深みで金属が若い体を引き裂いた 人を殺すために作られた重い機械が かげろうと同じ原理で空に浮かび 世界がそんな滑稽な仕組みであることに 少年はおとなになるまで気づかないだろう 詩集『続・谷川俊太郎詩集』谷川</strong>…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (8) 宇宙人との対話

<strong>呟くような言葉が男の口から漏れた <女王はその事実に耐えねばならない> 男が口をきいた瞬間恐怖は鎮まった なんだこいつ売れない役者なのか 誰が書いた台詞だっけ ラシーヌか 私に口をはさむ間を与えず男は続ける <だが野の寡婦は事実を生きるしかない </strong>…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (7) 制限を設定

世界が私を愛してくれるので(むごい仕方でまた時にやさしい仕方で)私はいつまでも孤りでいられる 私に始めてひとりのひとが与えられた時にも私はただ世界の物音ばかりを聴いていた私には単純な悲しみと喜びだけが明らかだ私はいつも世界のものだから 空に…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (5) 手紙の宛名

<strong>せめて何かにさわりたいよ いい細工の白木の箱か何かにね さわれたら撫でたいし もし撫でられたら次にはつかみたいよ つかめてもたたきつけるかもしれないが きみはどうなんだ きみの手の指はどうしてる 親指はまだ親指かい? ちゃんとウンコはふけてるかい </strong>…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (4) なんでもアリ

<strong>だがなんでもないものは、他のなんでもないものと区別されると、そのなんでもなさを決定的に失う。なんでもないものを、一個の際限のない全体としてとらえることは、それを多様で微細な部分としてとらえることと矛盾しないが、なんでもな(以下抹消) ――――筆者</strong>…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (3) 一か八かの賭け

<strong>言いかえれば普通なんだがそれが曲者さ 普通ってのは真綿みたいな絶望の大量と 鉛みたいな希望の微量とが釣合っている状態で たとえば日曜日の動物園に似てるんだ 猿と人間でいっぱいの 詩集『続・谷川俊太郎詩集』谷川俊太郎著p.71 普通とは、軽い「絶望」</strong>…

谷川俊太郎さんの詩から学ぶ 効果的な書き方 (2) 直喩

さらけ出そうとするんですがさらけ出した瞬間に別物になってしまいます太陽にさらされた吸血鬼といったところ魂の中の言葉は空気にふれた言葉とは似ても似つかなぬもののようです 詩集『続・谷川俊太郎詩集』谷川俊太郎著p..74-75より 超訳すると、「自分の…